安蘇山塊(群馬) 残馬山(1107.5m)、岳山(1070m) 2020年11月21日日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 6:14 林道終点−−6:19 沢を離れる−−7:18 残馬山−−8:18 岳山−−8:57 林道終点

場所群馬県桐生市/みどり市
年月日2020年11月21日 日帰り
天候
山行種類プチ籔山
交通手段マイカー
駐車場林道終点に駐車余地あり
登山道の有無林道終点〜残馬山:無し  残馬山〜岳山:踏跡程度  岳山〜林道終点:無し
籔の有無ほぼ無し
危険個所の有無無し
山頂の展望どちらの山頂も良くない
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コメント忍山川沿いの林道終点から反時計回りに周回。林道はゲート等は無く路面状況は未舗装だが普通車で問題なく走行可能な程度。残馬山〜岳山間は踏跡あり。その他は道は無いが藪も無いので自由にルート取り可能。この日は冬型の気圧配置で北西の冷たい風が強かったがさすが太平洋側だけあり安蘇山塊は快晴だった。久々に奥日光の山々が間近に見えた




湯本集落奥から林道へ。通行止めの表示があるが実際は問題なし 地形図に無い林道分岐。右の本流沿い沿いへ
林道終点。ここまで車で入れるとは予想外 利道終点から忍山川。地形図の破線は存在しない
忍山川は大きな岩がゴロゴロして歩きにくい 上流にゴルジュが見えたところで右手斜面を登ることに
取付いた斜面 標高800m付近。急傾斜と落ち葉で滑りやすい
標高820m付近で尾根に乗る。岩っぽい尾根 標高870m付近で目印登場
標高870m付近から上を見る 標高880m付近の祠
標高900m付近の岩の下り 下った岩。木の根が無ければ巻くしかなかった
標高920m付近 岳山
標高960m付近 熊棚は多数あった
熊の木登りの跡(爪痕) 標高1010m付近
木に飲まれたワイヤー 残馬山山頂
山頂標識 気温は+4℃前後
岳山に向かう。忍山川源流部を周回
残馬山北西標高1080m付近で僅かに樹林が開け北側の展望あり。奥日光、足尾の山々を間近に見るのは久しぶり
稜線上は踏跡あり ここにも熊棚。いちいち撮影しきれないほど多かった
この標識があちこちにあったが私は座間峠の位置を知らない 956m峰西側の950m峰
1008m峰は東を巻いた 970m鞍部で尾根に復帰
何の看板があったのだろう? 970m鞍部の標識
標高1010m付近 標高1050m付近
岳山山頂 岳山の山頂標識
裏返すと岳山と書き加えられていた 標高1050m肩
標高1050m肩で主稜線から東の枝尾根に入る 残馬山
標高1020m峰 標高990m付近で東へ下って尾根を乗り換える
ちょっとズレたが修正して目的の尾根に乗る 標高920m付近。ワイヤーが飲まれている
914m峰 914m峰を東へ下る。標高840m付近
標高780m付近 標高760m付近。眼下に林道が見えている
林道終点到着


・安蘇山塊の山で地形図記載の山は栃木/群馬を含めて全て登っているが、日本山名事典記載の山は全てを把握しているわけではないのでいくつも未踏があると思う。そのうち現状で分っている分を片付けることにした。残りは主に桐生の山で、節約のため一般道で向かうと4時間以上かかるため、この3連休で出かけてまとめて登ることにした。

・残馬山、岳山は桐生と旧東村境界にあるが、地形図を見る限りは桐生側の忍山川沿いの林道終点から登るのが最も楽そうだが、その林道がマイカーで進入可能かは不明。林道入口の湯本集落から終点までかなり距離があってどん詰まりだし、地形図では林道の途中から道幅が細くなっている。おそらく道幅が広い区間まではマイカーで入れるだろうと予想し、その後は歩いても他のルートより標高差や距離的にお得だろうと判断してこの林道から登ることにした。もしずっと手前で入れないようなら別ルートを取ることにして、やや広いエリアの地形図を印刷しておく。

・今週は気温が高く長野から外に出るために越える峠の積雪、凍結の心配はない。菅平、鳥居峠と抜けて群馬に入り、国道144号、145号、353号線で渋川に出て赤城山南面を巻くように進んで旧大胡、旧大間々、桐生へと入った。桐生市街地を抜けて林道へと入り、湯本集落を抜けるとダートになるが路面状況は良好で普通車でも問題なし。忍山川を渡る大茂地区に廃屋らしき建物があるが、ここまでは明らかに道は良好だった。その先は少し荒れるがそれでも最近でも車が入っている様子が分かり安心して走行可能。

・標高450m付近で地形図通りに林道が分岐。直進の道が本道らしく見えるが通行止めの表示が出ている。一方、忍山川沿いの本道は右へ曲がり、少し道のグレードが落ちるがまだ普通車で問題なく走行可能。

・標高550mで地形図で道幅が狭くなる地点から先が普通車で入れるか、ゲートがあるか心配だったが実際には道のグレードはそれほど変わらず奥へと進むことができた。結局、想定外で林道終点まで車で入れてしまった。終点は広場になっていて駐車には問題なし。

。今回の計画だがまずは適当な尾根で残馬山に登り、忍山川源流部の市境稜線を反時計回りに歩いて岳山に至り、適当な尾根を下って起点に戻る周回コースだ。これなら効率がいい。

・林道終点から先は地形図では忍山川沿いに道があることになっているが実際には道は無く、大きな岩が多数転がった沢の中央部を避けて左岸沿いを適当に登っていく。水量は少ないので渡渉は問題ないが、沢の中の岩が大き過ぎて越えるのは難しい。安蘇山塊は基本的に岩っぽい山ではないが、岩が全くないわけではないようだ。安蘇山塊でこんな沢があるとは初めて知った。

・忍山川を少し遡上すると両岸が岩壁となってゴルジュ状になっているのが見え、その手前で右手の斜面を登ることにする。この付近なら適当に右手の斜面を登れば残間山にたどり着くので細かな読図は不要なので、藪も岩も無い谷地形を登り始める。両側には尾根があるが両方とも岩っぽいし急傾斜なので谷筋を登るのがいいとの判断だ。

・谷の上部は傾斜が急で落ち葉が降り積もり足元が滑りやすいのに立ち木が無いので掴まるものがなく、滑り落ちないよう注意深く登っていく。谷の両側は相変わらず岩っぽい斜面で、まるで西上州のようだ。

・谷を登りきると小尾根に出ると立ち木に黄色いテープが巻かれていた。少なくともこの尾根を歩いた人がいるようだ。問題はこの尾根が岩で行き詰らないかどうか。目印があるので大丈夫だとは思うが、素直に尾根をまっすぐ行けるかは分からない。

・登ると早速岩が登場するが右側から迂回して簡単に登ることができた。尾根に復帰すると祠が登場。ということは昔はこの尾根に参拝用の道があったはずだが、現在では目印はあっても道形は残っていない。ただし尾根上には藪は無いので道が無くても問題なし。

・標高900m付近で岩が登場するが登りは特に問題ないので岩の上を進んだが問題は見えない岩の裏側の下り。もしかしたら・・・とは思ったが下りはほぼ垂直の壁。普通ならこんなところは下ったりしないのだが、1本の太い根が岩に張り付いて地面まで延びており、これをフィックスロープ代わりに下りられそうだ。ついでに木の根が張り付いている場所は僅かに溝になっていて足がかりがある。実際に下ってみると簡単に下れたが、振り返って岩を見上げると登ろうとは考えられないルートだった。

・なおも岩っぽい尾根が続くがヤバそうな場所は巻くことが可能。周囲はいつの間にか落葉樹の自然林と変わり熊棚が目立つようになった。木の種類はコナラ、ミズナラで木の幹が凸凹した柔らかい表皮に覆われているので、熊が木登りした爪痕が残りにくいのが難点。それでも遠目には熊が足を置いた場所は僅かに木の皮が剥けて色が変わっているのが分かる。自然林では熊棚が多数見られ熊の多さがうかがわれた。私が安蘇山塊を良く登っていた30年前には熊の出没はあまり聞いたことがなかったが。鹿もほとんど見かけなかったなぁ。

・標高970m付近で出てくる岩場が最後の大きな岩で、ここは登らずに右から巻く。尾根に復帰すると尾根の右側が植林、左は自然林に変わる。植林なので伐採や植林時に使ったと思われる木に巻かれたワイヤーがあり、長い年月の間にワイヤーが木に飲み込まれていた。

尾根を登りきると残馬山山頂に到着。地形図に出ていない山だがかなり古い手製の山頂標識あり。気温は約+4℃でこの時期としては高いと言えよう。残念ながら樹林で展望は悪い。

・ここからはしばし市境稜線を歩く。踏跡があり尾根上の灌木は刈り払ってある。残馬山北西直下で樹林が開けた場所が1か所だけあり、北側の展望が開けて足尾山塊、奥日光の山々が見えていた。これらの山々を間近に見るのは久しぶり。太郎山、男体山、女峰山等は見えていたが日光白根は雪雲に隠れて見えなかった。皇海山は山頂部のみ雲がかかっていた。

・市境稜線には「←座間峠 残馬山→」の標識が点在していた。座間峠がをどこを指すのか私には分からないのでイマイチ使えない標識ではある。比較的大きく登り返す1008m峰は植林の東斜面を巻いたが、それほど傾斜はきつくなく藪も無いし巻いて正解だった。970m鞍部で市境稜線に復帰した。

・1008m峰に登り返す付近もそうだったが970m鞍部付近も西側は自然林、東側は植林に分かれている。自然林には相変わらず熊棚が多数ある。標高1050m付近からは東側も自然林に切り替わり、まだ東に低い太陽の光が植林にブロックされることがなくなり明るくなる。

・傾斜が緩むと岳山山頂に到着。ここも周囲は自然林で冬枯れの今は明るい山頂だが、落葉樹林の枝が多く展望が無いわけではないが良好とは言えない。現地にかかっている山頂標識は「白萩山」となっていて、裏返すと誰かが鉛筆かボールペンで書いた「岳山」の文字が見えた。地元ではどちらの名でも呼ばれているのだろう。

・さて下りのルートだが、林道終点に着地するには市境稜線を離れて岳山から南下して1050m肩から東に延びる尾根を下るのが最短だろう。ただしこの尾根は標高990m付近から顕著な尾根地形を離れて斜面を東へと下って標高920m鞍部にピタリと乗る必要がある。ここがキモだろう。たまには真面目に読図して頭を鍛えることも必要だろう。

・岳山から南へと延びる尾根に入ると下りですぐに岩が登場し、ここは西側を巻いた。1050m肩はなだらかな地形で尾根の分岐がやや分かりにくいが、少し進めば尾根がはっきりしてくる。東へ延びる尾根は自然林で明るく先が見通せるのがありがたい。1070m峰は小さな岩峰だが簡単に巻くことが可能。この付近から尾根の南側は植林帯に変わる。

・尾根を乗り換える標高990mが近付くと周囲の地形を注意深く観察して歩くようになる。左へ分岐するような顕著な尾根が現れて引き込まれそうになるが、方位磁石で尾根の方位を確認すると北東で、ここは標高1000m肩から分岐する尾根と判明。無視して先に進む。しかし藪屋の本能としては尾根を歩きたくなるので、頭では分っていても明瞭な尾根を無視して通過するのは不安感がある。

・そして高度計が990mになったところで尾根を離れて左側の自然林に斜面を下り始める。僅かに尾根地形がありそこを下っていくいが、途中から樹林越しに左手にここよりも高い尾根を発見。正しい尾根に乗っていれば周囲より高いので付近の尾根は全て低く見えるはずであり、ルートを外したことを意味する。藪の無い斜面を左へとトラバースしていくと顕著な尾根が登場、間違いなくこれが正解ルートで920m鞍部だった。大きな標高差を損せずに済んでよかった。

・930m峰を越えると木の間に張られた複数の古いワイヤーが登場。おそらく造林作業で使ったのだろうが、今はほとんどが木に飲まれている。ちなみに今どきは木を支点としてワイヤーをかけるときは木に直接巻き付けるのではなく、木の幹を木材等で覆って保護した上にワイヤーをかけることが多いようだ。

・914m峰も尾根の出だしがやや不明瞭でルートに要注意だが、基本的にまっすぐ進めばいい。植林の尾根を下っていき標高770m付近で尾根を離れて左側(北側)の斜面を下り始める。これは地形図によればこのまま尾根を下ると末端は林道法面で下れないからだ。それに林道終点は尾根末端よりも北に位置するので近道にもなる。

・暗い植林の急斜面を下っていくと下方が明るくなり、駐車した林道終点にピタリと着地できた。

 

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